美容院に行ってきました。
「長さあんまり変えないで軽めに」がいつものオーダーと化している私だけれど、このオーダーはいつもの担当Yさんでないと通用しない。
ひさのの髪は単純に黒いストレートロングだから、誰でもそれなりに切れることは切れるんだと思う。
でもYさんでないと駄目な理由はちゃんとある。
切られてて気持ち良いのだ。
はさみを入れるときだけではない。髪を扱う仕草すべてが丁寧で気持ちがいい。
Yさんはその店でもトップスタイリストなんだけれど、さもありなんという感じ。
動作一つ一つに髪への愛情みたいなものまで感じるのだ。
結構いろんな店を移り歩いたひさのだけれど、ここ一年ばかりはYさんから浮気はしていない。
というかできない。
ドライヤーの当て方もアイロンのかけ方も、薬剤の塗り方も、切り方も。
Yさんにしか出せない「気持ちよさ」なのだ。
ほかにもYさんが男前だったり(汗)、寡黙で必要以上に喋りかけないところとかも好きなんだけど、最終的にはあの気持ちよさを生み出す、髪への愛情が一番の決め手かも。
自分の商売相手に対して愛情を抱かない商売人は、半人前だと思う。
この場合は髪になるわけだけど、どんな商売でもこれって共通かもしれない。
人間に愛情を抱けない医者。花に愛情を抱けない花屋。蕎麦が飯の種なだけの蕎麦屋。
そんなのいやだもの。
…さてさて、ひさのは自分の仕事相手をきちんと愛せていたでしょうか。
思いがけず美容院で考え込んでしまうのでした。